蒲田くんのしょうせつのかきかた() その2

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蒲田くんのしょうせつのかきかた() その2

続きです。

どうでもいいんですけど、これ書きながら本文書くの至難の業ですね。難しすぎないですか…

3. いきなり書き出す

そういう訳でプロットは立てないのでいきなり書き始めます。

この書き始めるタイミングが割とその後のモチベーション…というか書くスピードに繋がってくるので、あんまり妄想をあたため過ぎても駄目だし、かといってイマイチ乗ってないうちに書き始めると途中で筆が止まるし…

ということでいまだ、と思った瞬間に(?)書き始められるかどうかが上手く最後まで書き切れるかどうかの決め手のような気がします。

文章の書き方講座などでよく見る方法で、

・まず見出しを最後まで書き、それから本文を書く
・重要なところから書き、細かい所はあとから書く

といった書き方があると思います。

自分はマニュアルやレポート書いている時はだいたい上記のように、見出しを書き、重要なところを書き、最後に細かいところを埋める、といった感じで文章全体を行ったり来たりしながら少しずつ仕上げていきますが、小説を書くときは

「書き出しから書き始めて最後まで順番通りに書き切る」

という方法で書いています。

何でかというと、「クライマックスシーンを最初に書く」とか「書きたいシーンから書く」をやると、そのシーンを書いたら満足して他のつまんないとこ書かなくなるからです…

二次創作だから別に書きたいシーンだけ書いてはい完成!でも全然構わないんですが、一冊の本になる分量を書こうとすると、書きたいシーンだけ書いてつなげるやり方だとなんというかぶつ切りごった煮みたいになるので、ある程度まとまりを持ってストーリーを書けるように、なるべく流れのままに書いています。

そういうわけで、書き出しを思いつくまで書き始めるの保留します。

 古びた廊下はよく磨き込まれて光っていた。室内から漏れてくる蛍光灯の光に、ぼんやりと床面に自分の顔が映っている。

書き出し思いついたらいきなり一行目から書き始めます。

小説で一番重要なのは書き出しだと思っています。
自分の書き方だと、書き出しから全てを膨らませていくので、書き出しが気にくわないと途中で頓挫しがちです。

どんな書き出しでもいいんですが、できれば一文の中に今後の展開を暗示できるようにします。
これは今後の展開を何も考えてなくてもいいので、それっぽいことを書いておけば後から展開に詰まった時に、最初の一文を読み返せばなんとなく続きが思いつくという仕組みです。

構成

「古びた廊下は」で、場所と時代設定をなんとなく明らかにします。少なくともカルデアじゃないです。
古びた廊下が磨き込まれるというからには立派な木材の廊下、しかもそれなりの歴史のある豪邸で、よく手入れがされている。ということを現します。
「室内から漏れてくる蛍光灯の光」で、少なくとも時代が現代であること、なんとなく日本であること(海外は日本ほど蛍光灯が好まれないので)を読者に知らせます。

なんかこの「読者に知らせる」ってつもりで書くのが割とコツかもしれない、と今思いました。
これから小説で書かれるであろう事象を最初の一文で読者に知らせるのが重要だと思います。

しかし自分なんかブログの文章が作文かよって感じですね。説得力のなさがすごいです。

とりあえず、あと一応前書きとタイトル(下書きの)で、未亡人ものってことはわかっているので、「磨き込まれている」と書いてあったら、掃除しているのは受けだなってことがわかると思います。

なんでわかるかっていうのは、二次創作だからです。
二次創作の場合、読者は最初からキャラ「だけ」は把握しているので、最初の一文を読んだ時点で、作者と同程度かそれ以上にキャラのことを知っているのが前提になります。

オリジナルだとこうはいかないので、最初の一文を書いた時点では、読者はキャラに関する知識はタイトルから得たものだけ、ということになります。
ラノベとかだとタイトルで主人公の属性をいきなり書いてあること多いですね。

少なくとも二次小説では、読者がキャラについて知識があることを前提にして書かないと、くどい上に萌えない…ということになります。

この話の場合だと、受けはめっちゃ真面目で献身的、というイメージを読者と共有している(ということにしておいてください)ので、「磨き込まれている」で、受けがこの屋敷に住んでいて、更に愛着を持って丁寧に手入れしている、というのを伝えたい訳です。

伝わっているのかどうかは作者本人には知るよしもないので、時折不安になる訳ですが……

最後に、「ぼんやりと床面に自分の顔が映っている。」で、読者の視線を語り手に動かします。

  • 読者にどの情報を提示するか
  • 読者の視線をどこに持っていくか

の二点を常に意識しながら書いています。
意識はしているが伝わっているのかどうかは(ry)

書き出しが書けたらこっちのものなので、後は詰まって続きが出てこなくなるまで延々と書きます。
詰まったらそこが場面転換の合図なんだ、と思うことにしています()

続きはまた今度…